寒くて暑いイリノイ州の日々

アメリカに来てから30年。老親の為に日米間を行ったり来たり。

猫はアメリカでもコタツで丸くなる

我が家には猫が二匹いる。

黒猫と白黒猫。両方ともオス。最初に来たのが黒猫。ひとりっ子の我が子が学校というシステムに少々手こずっていた時に「弟分」として来たが、今じゃ兄貴風を吹かしている。この黒猫がヤンチャな猫で、寝ている時以外は遊びたくて仕方が無い。人間のウチの子を猫と思っている様で、噛み付いたり引っ掻いたりで、これじゃ大変だと思い二匹目を迎える事にした。そこで来たのが白黒ネコである。タキシードを着たように白黒で、ちょっとお茶目な顔をしたこのネコ。遊びにあまり興味が無いようで、この二匹は全くの凸凹コンビだ。でも、黒猫くんは人間のウチの子を襲わなくなったので、ひと段落。今日もドタバタ、猫同士で走り回っている。

寝る時にはコタツで丸くなっている。そう、日本人の方から譲って貰ったコタツだ。日本から何度持って来ようと思っても、荷物は食料品で一杯になってしまって断念したコタツ。まさか、アメリカで譲って貰えるとは思いもしなかった。ともかく、朝早く起きて、コタツを付けてあったまろうと脚を入れると猫がいる。「みゃっ」と泣くだけで別に引っ掻かれる訳でもないが、遠慮して脚を誰も居ない空間を探してお邪魔する。なんともシアワセな瞬間だ。

それにしても、コタツを知らないアメリカの猫がコタツに逢ったその一瞬で、その利用価値を理解する。たまげたものだ。

日米の生活の違い

日本に一時帰国する度に思う。日本人って豆だな〜。

まず、洗濯物。アメリカでは洗濯機から乾燥機に移動して畳んでおしまい。時間関係なく洗濯出来ちゃう。日本の実家では、晴れてたら表に干す。雨だったら屋内に干す。一応、乾燥機だってあるのになぁ。

あとは、お風呂。毎日毎日、ちゃんとお風呂場を掃除して、お風呂に浸かって身体を洗ってって、偉いなぁと思う。

こう思う私は、日本に行けばキチンと洗濯物も表に干すし、お風呂も掃除するし、と日本人に変身できる。ただ、アメリカで生活していると、余りキチンとはしていない。

アメリカで洗濯物を表に干して文句言われた、と言う話を聞いた事がある。洗濯物を表に干すのは貧しさの象徴らしい。私も乾燥機が故障した際に表干しをした事もあるが、ハエに卵を植え付けられて1週間後に家の中が大変になった過去があるので、今は表干しは選択肢に無い。アフリカのどの国だかを失念したが、表干しした洗濯物には全てアイロンを当てるそうで、それは伝染病を持つ可能性のあるツェツェバエの卵を殺すためだ、と言うのを聞いて「成る程」と思ったものだ。

お風呂は根本的にシャワーだけだ。日本とは水質が全く違うので、お風呂に入る際にはエプソムソルトと言う物を入れないと入った気がしない。だが、井戸水ではないのが幸いだ。アメリカの井戸水はミネラルが豊富すぎて不味い、と私は思う。トイレも風呂桶も鉄分のせいで赤くなる。フィルターを通した後でも、である。白いシャツは洗濯屋に出さないと、オレンジかピンク色っぽくなってしまう、と義姉が言っていた。

潔癖症とは程遠いアメリカ人の夫と、日本人らしさを日本に置いてきた私は程よいコンビなのかも知れない。

日本食のストック

アメリカに帰ってきてもうすぐ2週間になるが、ずっと具合が悪かった。

最初の数日は久し振りの我が家に盛り上がって色々な事をやっていたが、五日目に突然耳の後ろにボコッと出来物が出来てしまった。それ以来、歯の調子が良くないし(歯のことは別の日に書こうと思考中)、ひたすら眠かった。コタツに入って猫とうだうだするか、カウチの上で寝るか、の二つだった。姉に依れば、「日本で両親の面倒を見た上に、片道徒歩20分のスーパーに歩いて行って、凄く疲れたのよ」と言う事。まぁ、そうなのかも知れない。

そう言う訳で、持って帰って来た日本食が地下に放ってある。

在外の日本人は皆んな同じだと思うが、日本に行く度に、重量制限目一杯の日本食を持って来る。今回も同様だ。買う時は食べる事しか考えていないので、食いしん坊はお腹が空いている時に買い物に行ってはイケナイ。でも、腹より目の方が欲しいのかも知れない。兎に角、我が家には良いのか悪いのか、地下がある。コンクリ剥き出しでお洒落な部屋ではないが、除湿機もあり涼暗所なので食べ物のストックを置いておくには良い。ところが、整理整頓の苦手な私は、この大量の日本食をわーっと置いてあるだけだ。勿論、麺類、お菓子、スナック、乾物で分けてはある。でも、この「乾物」が曲者である。何故かと考えてみる。

「乾物」と言えば、思い出すのは昭和の時代に歩いてすぐソコのアーケードにあった「乾物屋さん」である。海苔や昆布の海産物、あとは乾物屋なのに「生麺」も売っていて、木製の引き出しに生麺がチョコチョコ鎮座しているのを、お店のオバサンが欲しいだけ紙に包んでくれた。そう、昔は紙だった。八百屋さんに行けば新聞紙で包んでくれてた。懐かしい。

昔話はともかく、私は海苔、青のり、鰹節、切り干し大根、干しエビだの、そう言うのが好きだ。実際に料理に使うかと聞かれると、滅多に使わない。でも、日本に行くと欲しくなる。そういう者なんです。だから買う。今年は一年間に日本に3回も行ったから、もっと買ってきた。これを片付けねばならない。

wikiによると、「乾物(かんぶつ)とは、保存性や食味の向上を目的として水分を抜き乾燥させた食品の総称」だと。要するに、野菜、海産物、肉類も、乾燥させちゃうと同じカテゴリーの乾物仲間になってしまう。乾物とは素晴らしい物だ。でも、私には整理整頓し辛いモノである。

アメリカに帰国

一ヶ月以上も日本に滞在した後、ようやく戻ってきました。

すっかり放っておいた夫と子供、あと猫二匹にも嫌われてなかったのでほっと安心。

それにしても、羽田空港は混んでいました。フードコートは空きがないほど。普段アメリカでマスクをしない私ですら、ちょっと心配してしまった程のマスクなしでの食事。外国人は食事が済んでもグループで居座っているし、そういう若い子達は半分以上食べ残したうどんに、唐辛子を大量に入れて大笑いしているし、何だかなぁ、と思った案件でした。

最近思うのは、何で成田空港にはコンビニっぽいお店があるのに、羽田には無いのでしょうか?おにぎりと缶ビールさえあれば、私は搭乗時間まで過ごせるのになぁ、と。おにぎりは自販機で売ってますけど、かなり長い列ができていたんで購入は諦めました。

アメリカに帰ってから、時差ぼけでまだ運転していません。ちゃんと右側を走らなきゃな、と思っている次第であります。

 

実家あるある

今、日本の実家にいる。2022年のクリスマスの前からいるから、一ヶ月の実家滞在だ。何で来ているかは後日書く事にして、今日は「正月の後の実家あるある」を書きたい。

私の父は埼玉の田舎農家出身で、正月には田舎から餅が送られて来る。私が生まれる前から、それこそ、親父が母親と結婚して埼玉を離れた頃から送ってきてるのだろう。昔は、私も柔らかい餅が美味しくて喜んでいたが、今となっては年寄り二人の家にはこんなに要らないだろう、と思う量を送って来る。小さい真空パックの切り餅を買っても、二人で食べきれない出来ない消費量だからね。今年も毎日お雑煮にしたり、力うどんにしたり努力はしたのだが、残った。無理もない。

今日、何気なく餅の方に目をやったら、カビが生えていた。ポチッとじゃなくって、「これって青のりが入った餅?」って言うくらい、しっかりはっきり生えていた。それを、戦中育ちの親父は「こそげば大丈夫」と言う。言っても聞かない頑固者の父に、私は「一応言っておくけど、カビって根が張っていてこそげても根が残っているんだよ」と、ついでに「カビと言っても色んな種類があって、身体には毒なんだよ」とも。そうしたら、案外と簡単に「捨てなきゃダメかなぁ」と言って表に行った父。「へぇ、やっぱり長生きしたいのかなぁ」なんて思ったが、ちょっと質問があって後を追ったら、表で餅を洗ってるではありませんか。しかも、きったないシャベルでカビをこそげ落とそうとしているし。そこで私は何も見なかった振りをして、聞きたかった事を聞いて何も言わずに家の中に戻った。

私も良い年だし、なんか私よりも長生きしそうな父親の姿を見て、食べて具合悪くなっても本望だろうな、と思う境地に至った今日。

あと何日で、我が夫と子供に会えるのか、指折り数えている。